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パルミーリメイクイラストコンテスト 挑戦のために意識したこと

概要

第2回 パルミーリメイクイラストコンテストが開催されるとのことです。
www.palmie.jp
第1回 ではありがたいことに私の作品が大賞を受賞しました。



www.palmie.jp

備忘録として、パルミーリメイクイラストコンテストのイラストを描くにあたって意識したことを記載します。
これからコンテストに挑戦される方の参考になれば幸いです。

注意
この記事はあくまで個人的に書いているものです。全て主観で書いています。
記事の通りにやれば必ず受賞できるというわけではなく、また、審査員の考え方を反映したものでもありません。



意識したことは、大きくわけて以下の三つです。


  1. Before・Afterのイラストのテーマを揃える
  2. Beforeより一歩先のイラストを目指す
  3. Afterのイラストを一目見た人の感想を想定する

Before・After のテーマを揃える

リメイクイラストコンテストにおいて、最も重要な点は「Before・Afterのテーマを揃える」ことです。
このコンテストは、"リメイク"をテーマとしたイラストコンテストなので、画力の向上だけに集中するだけでなく、リメイクの要素を忘れてはいけません。


例えば、以下のイラストを見てください。



この例では、Beforeのイラストが花であり、Afterのイラストが銃と、全く別のものを描いています。
銃のイラストが技術的に優れていることから「画力が向上した」という印象は伝わるかもしれません。
しかし、「イラストをリメイクした」と言われても、観る人は納得しないでしょう。


「イラストをリメイクした」という意図が伝わるようにするためには、AfterのイラストをBeforeと同じテーマにする必要があります。
以下は、AfterがBeforeと同じテーマになっている場合の例です。



このようにすれば、「イラストをリメイクした」と言われたとき、観る人は納得するはずです。 先ほどの例は極端なものです。しかし、時間が経つとイラストの得意・不得意は変化しますので、思わず全く異なるテーマのイラストを描いてしまう可能性もあります。
描こうとしているイラストが、単に「今の自分が得意としているイラスト」ではなく、「Beforeをリメイクしたイラスト」であることを確認することが重要です。


以下は、私のリメイクイラストの例です。



絵柄や構図、色合いなど、全体的に異なっていますが、「リメイク」であることは伝わるはずです。
なぜなら、「男性キャラクター・スポーツ」というテーマが同じであるからです。また、ポージング(右腕が左肩を押さえている)、体育館、髪型(茶髪ショートで前髪が長い)、服装(黒のユニフォーム・リストバンド)、顔つき(タレ目気味で薄笑い)などの要素も意識的に揃えています。
こうしたテーマや要素が一致していれば、イラストの本質とは関係のない細かな部分(例えば天井の照明の数や壁の色など)が異なっていても問題ありません。

要素を意図的に変える場合には、強い理由が必要です。
私のイラストの場合、構図を変えていますが、それは煽り構図の方が正面イラストよりも「格好良さ」や「強さ」を伝えやすいからです。
また、バスケットボールを追加した理由も同様で、これによってイラストの内容がより明確に伝わるからです。



リメイクしたいイラストが決まったら、まずはそのイラストのテーマや要素を書き出してください。
そして、それらのテーマや要素をどのように維持するか、また変える場合はなぜ変えるのかを一つ一つ考えてください。すると、自然と「リメイク」らしいイラストが完成するでしょう。

また、どのイラストをリメイクするかも重要です。上記のことからわかるようにテーマがわかりやすいものの方がリメイクしやすいです。
例えば、単なる棒人間のイラストではテーマがわかりにくいため、素晴らしい画力の向上を遂げていたとしても、「リメイク」である点が伝わりにくいでしょう。
(余談ですが、私はそもそもBeforeの条件を満たしているイラストがあの一枚しかなかったので、これをリメイクする他なかったです。昔のイラストってそんなに残してないですよね……)


Beforeより一歩先のイラストを目指す

このコンテストの目的は、パルミーでの自身の成長を確認することです。
そのため、Beforeと全く同じイラストを描くのではなく、一歩先のイラストを目指したいです。

とは言っても、そもそもこのコンテストに参加する意欲がある皆さんは、自信を持って「以前よりも画力が上がった」と感じている方々だと思います。
そのため、必要以上に「Beforeよりもすごい絵を描かなければならない」と気負う必要はありません。

一言で言い表せるくらいがちょうど良いと思います。
私の作品の場合、例えば「煽り構図が描けるようになった」と言えます。これだけでも十分です。

あまり多くの要素を詰め込もうとすると、前述の「Before・Afterのテーマを揃える」という重要なポイントがおろそかになってしまう恐れがあります。ですので、気楽にいきましょう。

(中には「コンテストに参加したいけど、Beforeの自分より1ミリも成長を感じられない」と感じるかたがいらっしゃるかもしれませんが、その場合は考え方を変えてみても良いかもしれません。「どうすればBeforeの自分より1ミリ成長できるか」です。「もう少し手を上手く描けるようになったら成長したと言える」などの気づきを得られたら、それを目標にコンテストに取り組むという考え方もきっと良いものだと思います)



さいごに

以上が、私が実際にリメイクイラストコンテストに挑む際に意識したことです。 受賞を目指す皆さんにとって、少しでも参考になれば幸いです。

最後に少しお話ししますが、このコンテストの目的は受賞だけではないと考えています。 私自身は野心家なので戦略を練って挑みましたが、自分の成長を確認するために気楽に取り組むだけでも楽しく、意義深いものです。 また、今の自分ならどのように表現するのかというゲーム感覚で取り組むこともできます。

参加される皆さんにとって、このコンテストが楽しい体験となりますように心から願っています。 そして、このコンテストを開催してくださったパルミー様に深く感謝申し上げます。




(余談)

今回、私はスケジュールの関係でこのコンテストには参加しないつもりですが、「もし参加するとすれば以前のAfterイラストをどうリメイクするか?」を考えてみます。

前回と今とで画力の部分にはあまり変化がないので、今見ても「よく描けてるな〜」くらいの感想です。

その上で、少し気になる点があるとすれば以下の通りです。

  • 肌の奥行き感の表現が甘い( 右の腕の肘より手前・肘より奥の明度に差をつけたい )
  • バスケットボールの質感表現が単調( バスケットボールの資料を見ながら質感を描き足す。ただし、あまり頑張るとボールがキャラクターに比べ悪目立ちするので、描き比べながら調整したい )
  • 状況がわかりにくい( これは試合後? それとも練習中? 彼は何を見ている? 『格好好良さと怪しさ』を意識するなら、「試合に負けた選手が、目の前に立つ敵選手(描画対象)を見上げている」のような状況を想定できそう。構図を少し変えて、背景に敵選手の仲間を映し、スコアボードなどの試合"後"であることがわかるような小物を追加してみたい )
  • 服、もうちょっと上手く質感出せるかも